ちゃんとした言葉

こういう関係は曖昧に始まることもあるらしい。というのも、初めてだらけのことだということや、周りには絶対に相談出来ない内容だったので、情報収集と言えば専らインターネット頼りだった。





その中でも、告白されてからの人や身体関係から始まる人、なんとなく始まった人など、人によって始まり方はそれぞれで。

わたしはどうなんだろうと思っていた。

でも、わたしの中ではちゃんと告白されてからでないとイヤだなという漠然とした思いもあったし、もしそうでない人ならこの関係を始めることを躊躇ったと思う。






こんな関係で誠実さとかを語るのはおかしいけれど、誠実な人であって欲しかったから。





結果的に婚外恋愛をしたと言っているから、彼がちゃんと告白してくれたいうことなんだけれど。





次に会うまでのやりとりの中で、

彼女になって欲しいとはっきり言ってくれた。

恥ずかしさのあまり、始めは渋ったようなことを駆け引きみたいにしちゃったけれど。

彼は身体目的ということではなくて、心の癒しが欲しいとそう言ってくれて、嫌なら身体の関係はもたなくても構わないと言ってくれた。






後で聞いたら、もちろん好きだからそういうこともしたいと思うのが男だけれど、無理矢理するのは嫌いだから、ちゃんと受け入れてもらえるまで待つつもりだったと言ってくれた。






そして、わたしは彼の告白を受け入れて、お付き合いがスタートした。

それからというもの、毎日の連絡はドキドキしたし、次のデートの約束が決まると、顔を合わせるのがなんだか恥ずかしい、そんな気持ちだった。

まるで

初恋のような感覚をこの歳にして感じた。

タイムリーに切ない

昼顔の映画やってる。




そういえば、当時昼顔一緒に観たかったんだけど、彼にやっぱりおかしいよね笑って言われて観るのやめたっけ。




でも、結局1人で観に行ったな〜レイトショーで。平日だったし観客5人くらいしかいなくて、若い人から年配の人がいて。

みんな、体験してきた人たちなのかな、とか考えたり。





映画の結末がわかってるが故に、切ない。





今頃彼も自宅で観ているんだろうか。

彼と初めて会った日

彼が友達申請してくれて、しばらくは個人の連絡先も教えなかった。

お互いの仕事のこと、家族、今までのことなど情報共有して、安心したのもあり、その後連絡先を教えた。



そこからは、なんだかあっという間に彼のペースだったけど、ご飯を食べに行くことになった。



お互いの中間地点でのショッピングモールの駐車場で待ち合わせ。

お互い車移動だったので、会いに行くまでの道中、かなり緊張した。

変な人だったらどうしようとか思ったけど、会った瞬間、直感的に大丈夫そう、そう思った。




彼の車に乗って、個室に分かれているご飯屋さんへ行き普通に夕飯を食べる。

何を話したか、緊張してそこまで覚えてないけれど、あたしはひたすらに友達の関係を望んでいることを伝えていた。

踏み込んだからダメだと思っていたから。




彼もひたすら友達を強調するものだから、後で聞いたら次はないのかもと思ったらしいけど。





ご飯を食べて大体2時間くらいは楽しく話してた。とても居心地が良かったのを覚えている。言葉や態度には出していなかったけれど、また会いたいなとも思った。





駐車場へ戻って、車内で少し話をした。

彼はこの後、もう次はなさそうだと思ったらしい。あまりにもあたしが淡白だったのと、友達を強調されたから、無理だと思ったと言っていた。





話を終えてそろそろショッピングモールの閉店時間になり、駐車場を後にしなくてはならない時間になった。

その時、彼が一言言った。




わたしのことを良いと思っていて、気になるから次も会ってほしいと。ダメなら諦める。

そんな感じの言い方だった。




わたしは、わかりました。

また会いましょうと言った。

わたしも態度では興味なさそうにして、サバサバしていたから、彼は拍子抜けしたようだった。




恥ずかしそうに彼がハグしていい?と聞いてきて、うんと答えてハグだけしてその日はお別れした。

ハグしたあと、帰ってからも心臓がバクバクしていたのを覚えてる。




わたしにとってハグだけだったことも、彼の優しさを感じた。

慣れてないわたしを配慮してくれたと後で聞いた。本当はキスしたかったらしいので。





久々に心が潤った、そんな1日。

その日から彼のことを考えるようになって、だんだんと好きになっていった。