たまには夢見たかった
彼がよく言っていたことの中に、長く付き合うためには、バレないためにはというのがあった。
もちろん、そんなことは重々承知していた。
なんで、そんなことを言われることがあったかというと、単純にお別れの際にわたしが駄々をこねることがあったから。
わたしにとっては、まだまだ一緒にいたくて甘えたつもりだったんだけれど、彼にとってはそうではなかった。
いつも冷静な返しだったな。
あと5分だけ。
と言っても、バレたら終わりでしょ。といったような返しで。
その前に、一緒にまだいたいけど、バレたら終わりでしょって言われる方が女としては嬉しいわけで。
でも、彼が迷わず言葉を発するから、本音なんだなーっていつも寂しかったりした。
たまには夢見させてよーって、何度思ったことか。
現実への引き戻し方が寂しかったな。
彼もわたしもそれぞれ帰る場所はある。
彼もわたしもその場所を壊そうとは思わない。
でも、たまにはウキウキしちゃうような、そんな甘い言葉を期待しちゃうのが女。
そんなこと一度も言わなかった彼はやはり現実的なんだと思うし、その事実を感じると彼の1番は家族なんだと思った。
家族には敵わないのはわかるけど、それを冷静に考えるとやはり彼にとってわたしは遊びだったんだろうかと思ってしまう。
ネガティブな思考のはじまりだ。笑
彼は言葉にして表現しない人だったからな。わたしも伝えるのが下手だったけど、彼よりは伝えていたはず。
言葉ってやっぱり大事。
男と女の思考って異なるから一概に言えないけれど。夫婦でも難しいのに、そうでないなら尚更難しい。
高校生の頃は恥ずかしげもなく言えたのにな。
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